財務省「マイナス改定を」――診療所の報酬引き下げ求める
財務省は11月1日、財政制度等審議会財政制度分科会で、2024年度診療報酬改定について取り上げ、「診療所の極めて良好な経営状況等を踏まえ、診療所の報酬単価を引き下げること等により、診療報酬本体をマイナス改定とすることが適当」と提言した。過去20年間、診療所(入院外)における1受診当たりの医療費はほぼ一貫して増加しているといった現状から診療所の報酬単価を引き下げること等を提示した形だ。
財務省は論拠となるデータとして、財務局を活用した「機動的調査」の結果を公表。38都道府県から入手した直近3年間の1万8,207法人(許可病床数0床)の事業報告書等を基に集計したところ、2022年度の診療所の経常利益率は8.8%と、2020年度の3.0%から急増し、また、1法人当たりの利益剰余金も、2020年度の1億500万円から2022年度は1億2400万円と18%(1900万円)の増加があったとした。また、この利益余剰金は、看護師などの医療従事者の3%賃上げに必要な経費の約14年分に相当すると指摘。報酬単価引き下げの妥当性を訴えた。
なお、診療所の報酬単価を引き下げる具体策としては、▽初診料・再診料を中心に報酬単価を引下げ、▽診療コストにきめ細かく対応する地域別単価の検討、▽マイナ保険証利用時の患者負担の軽減、▽リフィル処方箋の利用実績を踏まえた調整措置――などを提示した。(HealthDay News 2023年11月15日)
参考文献
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20231101zaiseia.html
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