国内臨床試験及び海外で認められた重大な副作用
心筋炎、心筋症
心筋炎、心筋症等があらわれることがあり、死亡例も報告されています。
安静時の持続性頻脈、動悸、不整脈、胸痛や心不全の症状又は徴候(原因不明の疲労、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には循環器内科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うことが必要です。
投与初期により多く報告されているので、投与初期及び増量時には注意が必要です。
国内臨床試験における心筋炎、心筋症の発現状況
国内臨床試験では心筋炎、心筋症の報告はありません。関連する症状として、心膜炎及び心膜疾患が1例、心嚢液貯留が4例に認められております。
国内臨床試験における心筋炎、心筋症、心膜炎、心膜疾患、心嚢液貯留の発現例数及び発現率
|
投与患者数a) |
発現例数 |
発現率 (%) |
心筋炎 |
77 |
0 |
0 |
心筋症 |
77 |
0 |
0 |
心嚢液貯留 |
77 |
4 |
5.19 |
心膜炎 |
77 |
1b) |
1.30 |
心膜疾患 |
77 |
1b) |
1.30 |
a) 国内1301、1201、1202及び1203試験で本剤が投与された患者数
b) 心膜炎及び心膜疾患は同一患者で発現
海外市販後における心筋炎、心筋症の発現状況(有害事象)
ノバルティス社が収集・分析した1990年1月5日~2008年10月31日までの安全性データに基づく海外での心筋炎、心筋症の発現例数、発症率は以下のとおりです。
海外におけるクロザピン投与による心筋炎の報告
海外における心筋炎の発現頻度
|
投与患者数a) |
発現例数b) |
発現率 (%) |
アメリカ |
249,378 |
47 |
0.02 |
イギリス |
50,866 |
159 |
0.31 |
カナダ |
28,079 |
38 |
0.14 |
オーストラリア |
18,032 |
196 |
1.09 |
合計 |
346,355 |
440 |
0.13 |
a) 1990年1月5日~2008年10月31日までに少なくとも1回クロザリルが投与された患者数
b) クロザリルとの関連性の有無にかかわらず発現した症例数
海外におけるクロザピン投与による心筋症の報告
海外における心筋症の発現頻度
|
投与患者数a) |
発現例数b) |
発現率 (%) |
アメリカ |
249,378 |
80 |
0.03 |
イギリス |
50,866 |
104 |
0.20 |
カナダ |
28,079 |
41 |
0.15 |
オーストラリア |
18,032 |
155 |
0.86 |
合計 |
346,355 |
380 |
0.11 |
a) 1990年1月5日~2008年10月31日までに少なくとも1回クロザリルが投与された患者数
b) クロザリルとの関連性有無にかかわらず発現した症例数
海外での心筋炎、心筋症の発現例(有害事象)における本剤との関連性及び重篤度
海外での心筋炎、心筋症の発現例における本剤との関連性内訳
|
発現例数 |
関連あり n (%)a) |
関連なし n (%)a) |
不明 n (%)a) |
心筋炎 |
440 |
263 (59.8) |
10 (2.3) |
167 (38.0) |
心筋症 |
380 |
187 (49.2) |
33 (8.7) |
160 (42.1) |
a) 各事象の合計に対する割合を示す
海外での心筋炎、心筋症の発現例における重篤度内訳
|
発現例数 |
重篤 n (%)a) |
非重篤 n (%)a) |
心筋炎 |
440 |
436 (99.1) |
4 (0.9) |
心筋症 |
380 |
368 (97.6) |
12 (2.4) |
a) 各事象の合計に対する割合を示す
海外での心筋炎、心筋症の発現例(有害事象)における転帰
海外での心筋炎、心筋症の発現例における転帰
|
発現例数 |
回復 n (%)a) |
増悪 n (%)a) |
軽快 n (%)a) |
不変 n (%)a) |
障害を伴う回復 n (%)a) |
未報告 n (%)a) |
不明 n (%)a) |
死亡 n (%)a) |
心筋炎 |
440 |
121 (27.5) |
3 (0.7) |
58 (13.2) |
20 (4.5) |
5 (1.1) |
79 (18.0) |
103 (23.4) |
51 (11.6) |
心筋症 |
380 |
41 (10.8) |
2 (0.5) |
50 (13.2) |
75 (19.7) |
3 (0.8) |
70 (18.4) |
93 (24.5) |
46 (12.1) |
a) 各事象の合計に対する割合を示す