アフィニトール
結節性硬化症(TSC)
監修:大野耕策 先生(鳥取大学名誉教授)
成人期(20歳~)における特徴的な症状
成人期(20歳~)に多く出現、顕著な所見
……腎血管筋脂肪腫(腎AML)、爪囲線維腫、肺リンパ脈管筋腫症(肺LAM)
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腎血管筋脂肪腫(腎AML)は、結節性硬化症患者の70~90%に認められると報告されていますが、調査により発現率はさまざまです。初発年齢は乳幼児期のこともありますが、通常3歳以降に認められ、加齢とともに増加します。無症状で血液検査等でも異常が認められませんが、腫瘍が増大すると自然破裂や急性出血による大量出血性ショックや、腎機能低下のリスクが高まるため、定期的なモニタリングが不可欠です。結節性硬化症に伴う腎AMLに対するアフィニトール ®(一般名 エベロリムス)の有効性・安全性に関してはこちらをご覧ください。
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爪囲線維腫は結節性硬化症患者の15~52%に認められる皮膚病変で、30歳以上の結節性硬化症では88%がこの病変を呈しているという報告もあります。爪の基部、爪甲上、爪甲縁から生じる、正常な皮膚色から紅色の長楕円形の軟骨様硬の腫瘤で、手の爪より足の爪に顕著に認められます。日常生活に支障がある場合は外科的切除の対象とされます。
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肺リンパ脈管筋腫症(肺LAM)の発現には性差があり、女性の結節性硬化症患者の30~40%以上に認められる肺病変で、特に妊娠可能な年齢の女性に好発します。肺LAMの初期は無症状の場合がほとんどですが、進行性で、労作時呼吸困難、繰り返す気胸、気胸に伴う胸痛、咳、痰、血痰などの呼吸器症状を呈し、呼吸機能が経年的に悪化します。一方で、進行速度は個人差が大きいことが特徴ですが、40歳以上の主な死因の一つです。肺LAMの治療は、呼吸器内科専門医による管理が望ましいとされています。
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結節性硬化症に伴う症状については、定期的にモニタリングをおこなうことが大切です。検査の一覧はこちらをご覧ください。
年齢期別からみる結節性硬化症の症状
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