「禁忌を含む注意事項等情報」等はこちらをご参照ください。
ORION-15(国内第Ⅱ相試験)の
有効性と安全性
一部承認外の用量が含まれる試験デザインですが、承認時の評価資料であり、日本人での臨床試験データとして重要であるためご紹介します。結果については、承認の範囲内の投与群である300mg群のみに限定し、一部改変して掲載しました。
また、併用されているスタチンは、国内承認範囲外の用法及び用量が含まれます。併用薬についての用法及び用量等詳細は、各製品の電子添文をご確認ください。
レクビオ300mg群のプラセボ群と比較したLDL-C変化率の差は-65.3%であり、優越性が検証されました (p<0.0001, Dunnettの検定)。レクビオ300mg群におけるLDL-C管理目標値達成率は94.8%でした。
主要評価項目(検証的な解析結果)
Day180のLDL-Cのベースラインからの変化率(FAS)
投与群、評価時点、評価時点と投与群の交互作用、ベースライン時のスタチン又はその他の脂質低下剤の有無を固定効果、ベースラインのLDL-C値を共変量とし、欠測データの発生がMARであると仮定したMMRMによる解析。Dunnett多重t検定により多重性を調整済みの片側p値。
*:有意差あり(片側p値<0.025)
n:ベースライン及びDay180の検査値が欠測ではない被験者数
社内資料:国内第Ⅱ相試験(ORION-15)(CTD2.7.6-4.1.4)[20230053][承認時評価資料]
その他の副次評価項目
Day180時点のJASガイドライン2017年版又は2022年版により心血管リスクレベル別に規定されたLDL-C管理目標値を達成した被験者の割合
Day180時点のJASガイドライン2017年版により心血管リスクレベル別に規定されたLDL-C管理目標値を達成した被験者の割合(FAS)
*:特定のカテゴリ変数の値を持つ被験者数(70歳未満で冠動脈疾患の既往があり、HeFH、急性冠症候群、糖尿病などの危険因子を合併している者)
事後解析:Day180時点のJASガイドライン2022年版により心血管リスクレベル別に規定されたLDL-C管理目標値を達成した被験者の割合(FAS)
Day180時点のJASガイドライン2022年版により心血管リスクレベル別に規定されたLDL-C管理目標値を達成した被験者の割合は、プラセボ群で7.1%(4/56例)、レクビオ300mg群で94.8%(91/96例)でした。
JASガイドライン2022年版で脂質管理目標値が改訂されたことを受け、心血管リスクレベル別に規定されたLDL-C管理目標値を達成した被験者の割合の事後解析を行い、評価資料の一部として提出した。
レクビオ100mg群、200mg群は、承認外の用法及び用量のため削除し、300mg群の結果のみを掲載しています。
社内資料:国内第Ⅱ相試験(ORION-15)(CTD2.7.6-4.1.4)[20230053][承認時評価資料]
ORION-15におけるレクビオ300mg群の副作用発現率は、13.1%(13/99例)でした。
ORION-15における副作用は、プラセボ群(N=57)及びレクビオ300mg群(N=99)において、それぞれ6例(10.5%)及び13例(13.1%)に認められました。いずれかの群で2例以上に発現した副作用(基本語別)は、注射部位反応が2例(3.5%)及び5例(5.1%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加が0例(0.0%)及び3例(3.0%)、C-反応性蛋白増加が0例(0.0%)及び2例(2.0%)でした。重篤な副作用、投与中止に至った副作用、死亡に至った副作用は両群において認められませんでした。
ORION-151)
心血管リスクが高いLDL-C高値の日本人患者にレクビオを投与したときの有効性及び安全性を評価する試験
1)社内資料:国内第Ⅱ相試験(ORION-15)(CTD2.7.6-4.1.4)[20230053][承認時評価資料]
試験概要
目的
心血管リスクが高いLDL-C高値の日本人患者を対象に、レクビオを皮下投与したときの有効性、安全性、忍容性、及びPKを評価する。
試験デザイン
多施設共同、第Ⅱ相、プラセボ対照、二重盲検、ランダム化試験
対象
冠動脈疾患の既往を有する患者、冠動脈疾患の既往がない場合には日本動脈硬化学会、動脈硬化性疾患予防ガイドライン(JASガイドライン)2017年版により「高リスク」に分類される患者、又は家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体(HeFH)患者のうち、LDL-CがJASガイドライン2017年版の目標値よりも高値の日本人患者
症例数
ランダム化例数、最大の解析対象集団(FAS)※1、安全性解析対象集団(SAF)※2:いずれも312例(プラセボ群:57例、レクビオ100mg群:55例、レクビオ200mg群:101例、レクビオ300mg群:99例)
※1 ランダム化されたすべての被験者。 ※2 治験薬を1回以上投与されたすべての被験者。
主な選択基準
- 20歳以上の男女の患者。
- 冠動脈疾患の既往を有する患者、冠動脈疾患の既往がない場合にはJASガイドライン2017年版により「高リスク」に分類される(糖尿病、慢性腎臓病、非心原性脳梗塞、又は末梢動脈疾患を有する、あるいは吹田スコアにより高リスクに分類される)患者、又はJASガイドライン2017年版に基づきHeFHと診断された患者。
- JASガイドライン2017年版に従い、スクリーニング時のLDL-Cが以下に該当する患者。
- 冠動脈疾患の既往があり、HeFH又は急性冠症候群を有する患者。又は、冠動脈疾患の既往があり、糖尿病を有し、なおかつ他の高リスク病態(非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患、慢性腎臓病、メタボリックシンドローム、主要危険因子の重複、喫煙)も有する患者の場合:LDL-C≧70mg/dL
- 冠動脈疾患の既往はあるが上記の高リスク病態はない患者又は冠動脈疾患の既往がないHeFH患者の場合:LDL-C≧100mg/dL
- 「高リスク」に分類される患者の場合:LDL-C≧120mg/dL
- スクリーニング時の空腹時トリグリセリドが4.52mmol/L(400mg/dL)未満の患者。
- スクリーニング時に、日本人の糸球体濾過量(eGFR)推算式で算出されたeGFRが30mL/分/1.73m2を超える患者。
- スタチンを使用中の患者の場合は、スタチンを最大耐用量で使用していなければならない。最大耐用量とは、忍容できない有害事象が発現することなく、スタチンを定期的に使用できる最大用量と定義する。
- スタチンを使用中でない患者の場合は、少なくとも1種類のスタチンに不耐であったことが記録されていなければならない。
- 脂質低下剤を使用中の患者の場合は、その用量がスクリーニングの30日以上前から一定であり、Day180まで薬剤変更及び用量変更の予定がない。
主な除外基準
- スクリーニング前90日以内に抗PCSK9抗体による治療を受けた患者。
- LDLアフェレシス療法を必要とする患者。
投与方法
被験者を、プラセボ群、レクビオ100mg群、200mg群、300mg群にランダム化し、プラセボ又はレクビオ100mg、200mg、300mgをDay1、90及び270に皮下投与した。基礎治療は抗PCSK9抗体を除く脂質低下剤とし、スタチンは最大耐用量を投与することとした。主要評価項目の評価時点であるDay180まで基礎治療の用法及び用量を一定とすることとした。
主要評価項目
Day180のLDL-Cのベースラインからの変化率
副次評価項目
【主な副次評価項目】
- Day180のPCSK9のベースラインからの変化率
- Day180のLDL-Cのベースラインからの絶対変化量
【その他の副次評価項目】
- Day14、30、60、90、104、120、150のLDL-Cのベースラインからの変化率
- Day180時点のJASガイドライン2017年版により心血管リスクレベル別に規定されたLDL-C管理目標値を達成した被験者の割合
- 事後解析:Day180時点のJASガイドライン2022年版により心血管リスクレベル別に規定されたLDL-C管理目標値を達成した被験者の割合(JASガイドライン2022年版で脂質管理目標値が改訂されたことを受け、心血管リスクレベル別に規定されたLDL-C管理目標値を達成した被験者の割合の事後解析を行い、評価資料の一部として提出した)
- レクビオの安全性及び忍容性 等
探索的評価項目
- Day210、270、300、360のLDL-Cのベースラインからの変化率 等
解析計画
【主要評価項目】
有効性の主要解析の解析対象集団はFASとし、以下の統計的仮説を検定した。
H0:μi-μ0 = 0(i = 1、2、3)vs. Ha:μi-μ0 < 0(i = 1、2、3の少なくともいずれか)
μ0:プラセボ群のベースラインからDay180までのLDL-Cの平均変化率
μ1、μ2、μ3:それぞれレクビオ100mg群、200mg群、300mg群のベースラインからDay180までのLDL-Cの平均変化率
投与群、評価時点、評価時点と投与群の交互作用、ベースライン時のスタチン又はその他の脂質低下剤の有無を固定効果、ベースラインのLDL-C値を共変量とした反復測定混合効果モデル(MMRM)を主要解析モデルとして使用した。
仮説検定の有意水準は、片側0.025とした。全体の第一種の過誤率をコントロールするため、上記の統計的モデルに対してDunnett型検定(ワンステップ)を使用して調整後p値を示した。
レクビオ群とプラセボ群との差に関する点推定値及び95%CIも提示した。また、多重性の調整前及び調整後のp値も示した。欠測データの発生がMARであると仮定し、MMRMで解析した。
主要目的[Day180のLDL-C値を指標として、異なる用量(100mg、200mg、300mg)のレクビオのプラセボに対する優越性を検証すること]は、帰無仮説が棄却された場合に達成されたものとみなすこととした。
患者背景(FAS)
6. 用法及び用量
通常、成人にはインクリシランナトリウムとして1回300mgを初回、3ヵ月後に皮下投与し、以降6ヵ月に1回の間隔で皮下投与する。
レクビオ100mg群、200mg群は、承認外の用法及び用量のため削除し、300mg群の結果のみを掲載しています。