CAPSの適正使用動画をご覧頂けます。
イラリスは、ノバルティス社が創製したヒトIL-1βに対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体〔一般名:カナキヌマブ(遺伝子組換え)〕製剤です。米国及び欧州では2009年にCAPSの治療薬として承認され、日本においても2011年9月に同治療薬として承認されました。2016年12月には既存治療で効果不十分な家族性地中海熱(FMF)、TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)及び高IgD症候群(HIDS)(メバロン酸キナーゼ欠損症(MKD))の3疾患の効能又は効果が追加されました。2018年7月には、既存治療で効果不十分な全身型若年性特発性関節炎(SJIA)に対しての効能又は効果が追加されました。
イラリスは、臨床試験成績でこれらの患者での有効性が確認されていますが、適正使用と安全性の確保を十分に行う必要がある薬剤です。また、これらの疾患は大変稀な疾患であり、その診断や治療に高度な専門性を要すると考えられます。そのため、イラリスの投与は、イラリスによる治療を行った経験のある医師注)と十分に連携しながら、以下に示す医師らにより適切に行われることが望まれます。
1.小児科専門医またはリウマチ専門医、かつ日本小児リウマチ学会会員
2.リウマチ専門医がいる施設に所属する小児科専門医
3.小児科専門医がいる施設に所属するリウマチ専門医
4.クリオピリン関連周期性症候群、家族性地中海熱、TNF受容体関連周期性症候群もしくは高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)の治療経験がある医師
しかしながら、全国に散在するこれらの疾患患者に対応するため、上記以外の医師がイラリスを使用せざるを得ない状況も想定されます。そのような場合においては、イラリス皮下注射液150mgの医療関係者向け資材の配布と医薬情報担当者による製剤説明により、これらの疾患の治療及びイラリスの適正使用の知識を得た医師であれば使用することが可能ですが、診断及びイラリスの最初の維持用量の決定が上記医師により行われた上で、上記医師と相談できる環境下で治療をすすめていただくことが必要です。(なお、本要件のみ該当する医師は、イラリスの維持治療のみ可能となります。)
さらに、イラリスは、下記要件の両方を満たす施設でのみが可能となります。
1.重篤な感染症、アナフィラキシー等に対する緊急処置が実施可能な医療機関であること
2.上記の医師要件に示す専門的知識及び経験のある医師が在籍すること
注) イラリスのCAPS治験実施施設は、横浜市立大学附属病院 小児科、京都大学医学部附属病院 小児科、九州大学病院 小児科の3施設です。