製品について
有効性と安全性(成人)
「禁忌を含む使用上の注意」等はこちらをご参照ください。
※ ゾレア皮下注シリンジは、ゾレア皮下注用(凍結乾燥製剤)と薬物動態を比較した「生物学的同等性試験」の成績をもとに承認されたため、気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)及び特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)の患者を対象とした国内臨床試験は実施されておりません。
1. 国内第Ⅲ相成人検証試験(1304試験) | 2. 国内第Ⅲ相成人臨床試験(長期投与、1307試験) |
3. 海外第Ⅲ相成人検証試験(INNOVATE試験)(海外データ) |
成人に対する臨床効果
3.海外第Ⅲ相成人検証試験(INNOVATE試験)(海外データ)1)
(INNOVATE:INvestigatioN of Omalizumab in seVere Asthma TrEatment)
本試験で用量設定に用いた投与量換算表は現在承認されている投与量換算表と異なるため、現在の承認内容とは異なる用量での成績が含まれますが、承認時に評価された資料であるため紹介します。
(1)試験デザイン
目 的
高用量吸入ステロイド薬に加え、長時間作用性β2刺激薬を併用してもコントロール不十分な重症持続型アレルギー性喘息患者を対象として、喘息増悪に及ぼすゾレアの効果を検証する。
試験方法
無作為化、プラセボ対照、二重盲検試験
主要評価項目
治療薬投与期間(28週間)における喘息増悪(全身性ステロイド薬による治療を必要とする喘息症状の悪化)
副次評価項目
緊急受診の頻度、喘息関連QOL(AQLQ)、呼吸機能、安全性など
対 象
GINA(Global Initiative for Asthma)2002ステップ4の治療である高用量吸入ステロイド薬(>1,000μg/日 CFC- BDP換算)*1と長時間作用性β2刺激薬の使用にもかかわらず呼吸機能の低下と喘息増悪を繰り返す喘息患者(安全性評価対象482例、有効性主要評価対象419例)
*1 ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(BDP)の成人における本邦承認用量は800μg/日までである。
投与方法
ゾレアの1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前の血清中総IgE濃度並びに体重に基づき投与量換算表により設定し(少なくとも0.016mg/kg per IU/mL IgE)、4又は2週間隔で、28週間皮下投与した(なお、現在承認されている投与量換算表とは異なる)。
解析計画
有効性の主要評価対象は、2回目の治験実施計画書改訂後に組入れられたすべての被験者(primary ITT、PITT)とした。喘息増悪頻度及び緊急受診の頻度の解析方法はポアソン回帰分析、AQLQはANCOVAにて実施した。
投与スケジュール
4. 効能又は効果(抜粋)
〇 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)
5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)
<気管支喘息>
5.1 高用量の吸入ステロイド薬及び複数の喘息治療薬を併用しても症状が安定せず、通年性吸入抗原に対して陽性を示し、体重及び初回投与前血清中総IgE濃度が投与量換算表で定義される基準を満たす場合に本剤を追加して投与すること。症状が安定しないとは、下記の症状のいずれかが改善しないことを示す。
成人の場合
- 喘息に起因する明らかな呼吸機能の低下(FEV1.0が予測正常値に対し80%未満)
- 毎日喘息症状が観察される
- 週1回以上夜間症状が観察される
6. 用法及び用量(抜粋)
<気管支喘息>
通常、オマリズマブ(遺伝子組換え)として1回75~600mgを2又は4週間毎に皮下に注射する。1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前血清中総IgE濃度及び体重に基づき、投与量換算表により設定する。
投与量換算表では、本剤の臨床推奨用量である0.008mg/kg/[IU/mL]以上(2週間間隔皮下投与時)又は0.016mg/kg/[IU/mL]以上(4週間間隔皮下投与時)となるよう投与量が設定されている。
7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
<気管支喘息>
7.5 用法及び用量どおり、16週間使用しても効果が認められない場合には、漫然と投与を続けないよう注意すること。
(2)喘息増悪*2[ 主要評価項目 ]
PITTにおける治療薬投与期間(28週間)あたりの喘息増悪の頻度は、プラセボ群と比較してゾレア群で優越性が検証された(p=0.042、ポアソン回帰分析)。
(3)本試験における安全性[ 副次評価項目 ]
安全性解析対象集団において、有害事象はゾレア群で72.2%(177/245例)、プラセボ群75.5%(179/237例)に認められた。主な症状は下気道感染症(ゾレア群27例11.0%、プラセボ群24例10.1%)や鼻咽頭炎(ゾレア群24例9.8%、プラセボ群22例9.3%)等であった。総合した注射部位反応の発現については、プラセボ群の3例(1.3%)に比べてゾレア群で13例(5.3%)であった。重篤な副作用はゾレア群で1例(0.4%)に、そう痒症、発疹及び点状出血が認められた。また、有害事象による投与中止例はゾレア群で11例(4.5%)であり、事象は注射部位そう痒感、そう痒症/点状出血/丘疹性皮疹/喘息、そう痒症、喘息、妊娠、全身性エリテマトーデス、好中球減少症、下気道感染/喘息、腱炎/関節硬直、C型肝炎、蕁麻疹各1例(0.4%)であった。プラセボ群は4例(1.7%)であり、事象は喘息/ニューロミオパチー、妊娠、そう痒症、不全片麻痺各1例(0.4%)であった。本試験において死亡例は報告されなかった。
1. 国内第Ⅲ相成人検証試験(1304試験) | 2. 国内第Ⅲ相成人臨床試験(長期投与、1307試験) |
3. 海外第Ⅲ相成人検証試験(INNOVATE試験)(海外データ) |