転移性もしくは根治切除不能(Eur. J. Cancer 2021)
進行性悪性黒色腫のアジア人患者におけるBRAF+MEK阻害剤併用療法のアウトカム112例の解析
試験方法
目的 |
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進行性の日本人悪性黒色腫患者を対象にBRAF+MEK阻害剤併用療法の有効性評価及び治療効果に影響を与える因子の探索を行う。 |
対象 |
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2010年4月~2019年8月までに参加16施設でBRAF+MEK阻害剤併用療法を受けた進行性の日本人悪性黒色腫患者112例 |
評価項目 |
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全奏効(ORR)※1、無増悪生存期間(PFS)※2、全生存期間(OS)※3、有害事象 |
サブグループ解析 |
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患者背景[病型(ALM/MCM,Cutaneous、PUM)、治療効果、転移臓器個数、血清中LDH濃度、ステロイド使用、投与中断の有無、投与量の減量の有無]に基づくORR、PFS、OS |
解析計画 |
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治療効果判定はRECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)Ver1.1に基づいて行われた。治療効果の95%信頼区間(CI)は二項分布に基づいている。 PFS、OSはカプランマイヤー曲線によって推定され、患者背景に基づくサブグループ解析に関して全奏功はX2検定を用いてカテゴリー変数を解析し、log-rank検定を用いてPFSおよびOSの群間差を比較した。 |
※1 |
治療効果判定:RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)Ver 1.1に基づいて行われた |
※2 |
PFS:BRAF+MEK阻害剤の初回投与日から増悪又は死亡までのいずれかの日までの期間 |
※3 |
全生存期間:BRAF+MEK阻害剤の初回投与日から死亡までの期間 |
Limitation
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後ろ向き研究であるため、バイアスの可能性を排除できていない |
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収集された情報の品質閾値(quality threshold)が臨床試験のレベルに達していない |
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登録症例数は過去の臨床試験に比べ、少数例である |
Fujisawa, Y. et al.: Eur. J. Cancer 2021; 145: 210-220.【利益相反】なし
全奏効(Overall response)<評価項目>、患者背景に基づく全奏功<サブグループ解析>
ORR, Overall Response Rate; CR, Complete Response; PR, Partial Response; SD, Stable Disease; PD, Progression Disease
Fujisawa, Y. et al.: Eur. J. Cancer 2021; 145: 210-220.【利益相反】なし
無増悪生存期間(PFS)<評価項目>
Fujisawa, Y. et al.: Eur. J. Cancer 2021; 145: 210-220.【利益相反】なし
全生存期間(OS)<評価項目>
Fujisawa, Y. et al.: Eur. J. Cancer 2021; 145: 210-220.【利益相反】なし
安全性<評価項目>
- 重篤な有害事象は、52例に認められた。主なものは、発熱23例(21%)、血清肝酵素値上昇、皮膚反応及び血清CK値上昇で5例(5%)等であった。
- 本試験において、死亡例は報告されなかった。
- 主な有害事象ならびに投与中止に至った有害事象に関する記載は論文中になかった。
Fujisawa, Y. et al.: Eur. J. Cancer 2021; 145: 210-220.【利益相反】なし