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糖尿病黄斑浮腫(DME)

海外第Ⅲ相試験(KITE:B2302試験)
有効性

(1)最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量
(主要評価項目:52週、その他の副次評価項目:100週、各評価時点)

52週の最高矯正視力スコア※1のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はベオビュ6mg群10.6文字、アフリベルセプト2mg群9.4文字でした。投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は1.2(-0.6、3.1)文字と95%信頼区間の下限が非劣性マージンの-4文字を上回ったことから、ベオビュ6mg群のアフリベルセプト2mg群に対する非劣性が検証されました(片側p<0.001、ANOVA※2)。

※1 欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)
※2 ベースラインの最高矯正視力区分(≦65文字、>65文字)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした
※3 片側

100週の最高矯正視力スコア※1のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はベオビュ6mg群10.9文字、アフリベルセプト2mg群8.4文字でした。投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は2.6(0.2、4.9)文字でした。

※1 欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)
※2 ベースラインの最高矯正視力区分(≦65文字、>65文字)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした

(2)最高矯正視力スコアのベースラインからの平均変化量
〔最も重要な副次評価項目:40~52週の平均値(非劣性)、その他の副次評価項目:40~52週の平均値(優越性)、4~52週、20~52週、28~52週及び88~100週の平均値〕

40~52週の最高矯正視力スコア※1のベースラインからの平均変化量(最小二乗平均値)はベオビュ6mg群10.3文字、アフリベルセプト2mg群9.4文字でした。投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は0.9(-0.9、2.6)文字と95%信頼区間の下限が非劣性マージンの-4文字を上回ったことから、ベオビュ6mg群のアフリベルセプト2mg群に対する非劣性が検証されました(片側p<0.001、ANOVA※2)が、優越性は検証されませんでした(片側p=0.164、ANOVA※2)。

その他の副次評価項目である優越性検定はKITE試験のみ実施。片側有意水準0.025として検定
※1 欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)
※2 ベースラインの最高矯正視力区分(≦65文字、>65文字)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした
※3 片側

4~52週、20~52週及び28~52週の最高矯正視力スコア※1のベースラインからの平均変化量(最小二乗平均値)はベオビュ6mg群9.1文字、10.1文字及び10.1文字、アフリベルセプト2mg群8.4文字、9.3文字及び9.4文字で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)はそれぞれ0.8(-0.6、2.1)文字、0.8(-0.9、2.4)文字及び0.8(-0.9、2.5)文字でした。
88~100週の最高矯正視力スコア※1のベースラインからの平均変化量(最小二乗平均値)はベオビュ6mg群10.8文字、アフリベルセプト2mg群8.7文字でした。

※1 欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)
※2 ベースラインの最高矯正視力区分(≦65文字、>65文字)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした

(3)ベースラインからの最高矯正視力スコアの増加が15文字以上、または84文字以上の患者の割合
(その他の副次評価項目:52週及び100週)

52週のベースラインからの最高矯正視力スコア※1の増加が15文字以上、または84文字以上の患者の割合は、ベオビュ6mg群46.8%、アフリベルセプト2mg群37.2%で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は9.6(-0.4、20.2)%でした。
ベースラインからの最高矯正視力スコアの増加が15文字以上、または84文字以上を初回達成するまでの期間の中央値(95%信頼区間)は、ベオビュ6mg群24.1(18.1、31.4)週、アフリベルセプト2mg群20.1(18.1、25.1)週でした。
また、100週のベースラインからの最高矯正視力スコア※1の増加が15文字以上、または84文字以上の患者の割合は、ベオビュ6mg群49.7%、アフリベルセプト2mg群37.6%でした。

95%信頼区間はブートストラップ法を用いて算出した
※1 欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)
※2 ベースラインの最高矯正視力区分(≦65文字、>65文字)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした

(4)ベースラインからの最高矯正視力スコアの減少が15文字以上の患者の割合
(その他の副次評価項目:52週)

52週のベースラインからの最高矯正視力スコア※1の減少が15文字以上の患者の割合は、ベオビュ6mg群1.1%、アフリベルセプト2mg群1.8%で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は-0.7(-3.2、1.6)%でした。

95%信頼区間はブートストラップ法を用いて算出した
※1 欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)
※2 ベースラインの最高矯正視力区分(≦65文字、>65文字)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした

(5)投与継続状況

1)試験開始から12週間隔投与を維持した患者の割合(重要な副次評価項目:52週、その他の副次評価項目:100週

ベオビュ6mg群で試験開始から12週間隔投与を維持した患者の割合は、52週で50.3%、100週で36.8%でした。

※52週前最後の疾患活動性評価時点である48週まで12週間隔投与を継続した患者の割合と、100週前最後の疾患活動性評価時点である96週まで12週間隔投与を継続した患者の割合をKaplan-Meier法を用いて推定

2)導入期直後から12週間隔投与を維持した患者の割合(重要な副次評価項目:52週、その他の副次評価項目:100週

ベオビュ6mg群で導入期直後から12週間隔投与を維持した患者の割合は、52週で95.1%、100週で69.6%でした。

※52週前最後の疾患活動性評価時点である48週まで12週間隔投与を継続した患者の割合と、100週前最後の疾患活動性評価時点である96週まで12週間隔投与を継続した患者の割合をKaplan-Meier法を用いて推定

(6)32週で疾患活動性を示した患者の割合
(その他の副次評価項目:32週)

32週で疾患活動性を示した患者の割合は、ベオビュ6mg群24.2%(40/165例)、アフリベルセプト2mg群39.8%(66/166例)で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は-15.7(-25.6、-6.0)%でした。

95%信頼区間はブートストラップ法を用いて算出した
※年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした

(7)中心窩網膜厚のベースラインからの変化量
(その他の副次評価項目:40~52週の平均値及び100週、各評価時点)

40~52週の中心窩網膜厚※1のベースラインからの平均変化量(最小二乗平均値)は、ベオビュ6mg群-187.1μm、アフリベルセプト2mg群-157.7μmでした。投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は-29.4(-48.6、-10.2)μmで有意差が認められ、アフリベルセプト2mg群に対するベオビュ6mg群の優越性が検証されました(片側p=0.001、ANOVA※2)。
また、100週の中心窩網膜厚※1のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、ベオビュ6mg群-202μm、アフリベルセプト2mg群-173μmで、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は-29(-52、-7)μmでした。

優越性検定はKITE試験のみ実施。片側有意水準0.025として検定
※1 欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)
※2 ベースラインの中心窩網膜厚区分(<450μm、≧450~<650μm、≧650μm)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした
※3 片側

中心窩網膜厚※1のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は以下のように推移しました。

※1 欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)
※2 ベースラインの中心窩網膜厚区分(<450μm、≧450~<650μm、≧650μm)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした

(8)中心窩網膜厚が280μm未満の患者の割合
(その他の副次評価項目:32週、52週及び100週)

32週の中心窩網膜厚が280μm未満の患者※1の割合は、ベオビュ6mg群48.0%、アフリベルセプト2mg群30.6%で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は17.4(7.7、27.0)%でした。
52週の中心窩網膜厚が280μm未満の患者※1の割合は、ベオビュ6mg群57.5%、アフリベルセプト2mg群41.4%で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は16.3(5.7、25.9)%でした。
100週の中心窩網膜厚が280μm未満の患者の割合は、ベオビュ6mg群62.0%、アフリベルセプト2mg群47.0%で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は14.7(4.2、24.9)%でした。

※1 欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)
※2 ベースラインの中心窩網膜厚区分(<450μm、≧450~<650μm、≧650μm)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした

(9)病変部の形態学的変化

1)IRFまたはSRFが認められた患者の割合(その他の副次評価項目:32週、52週及び100週、各評価時点)

32週のIRFまたはSRFが認められた患者の割合は、ベオビュ6mg群68.7%(123/179例)、アフリベルセプト2mg群76.8%(139/181例)で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は-8.0(-17.5、1.6)%でした。
52週のIRFまたはSRFが認められた患者の割合は、ベオビュ6mg群54.2%(97/179例)、アフリベルセプト2mg群72.9%(132/181例)で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は-18.4(-28.5、-8.3)%でした。
100週のRFまたはSRFが認められた患者の割合は、ベオビュ6mg群40.8%、アフリベルセプト2mg群56.9%で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は-16.2(-26.4、-5.9)%でした。

95%信頼区間はブートストラップ法を用いて算出した
副次評価項目(40~52週の最高矯正視力スコアのベースラインからの平均変化量)でベオビュ6mg群のアフリベルセプト2mg群に対する優越性が検証されなかったため、優越性検定は実施しなかった
※ ベースラインのIRFまたはSRFの有無、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした
欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)

IRFまたはSRFが認められた患者※1の割合は以下のように推移しました。

95%信頼区間はブートストラップ法を用いて算出した
※1 欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)
※2 ベースラインのIRFまたはSRFの有無、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした

2)血管漏出が認められた患者の割合(その他の副次評価項目:52週)

52週の血管漏出が認められた患者の割合は、ベオビュ6mg群54.7%(98/179例)、アフリベルセプト2mg群79.4%(143/180例)で、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)(95%信頼区間)は-25.4(-34.4、-16.3)%でした。

95%信頼区間はブートストラップ法を用いて算出した
※ ベースラインの血管漏出の有無、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした
欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)

(10)【参考情報】ETDRS糖尿病網膜症重症度

1)【参考情報】ETDRS糖尿病網膜症重症度が低下した患者の割合
(その他の副次評価項目:28週、52週及び100週)

28週、52週及び100週の糖尿病網膜症重症度がベースラインから2段階以上低下した患者の割合は、ベオビュ6mg群25.0%(44/176例)、29.0%(51/176例)及び35.8%(例数について論文中に記載はありませんでした)であったのに対し、アフリベルセプト2mg群では20.9%(37/177例)、27.7%(49/177例)及び31.1%(例数について論文中に記載はありませんでした)でした。
28週、52週及び100週の糖尿病網膜症重症度がベースラインから3段階以上低下した患者の割合は、ベオビュ6mg群で13.1%(23/176例)、14.8%(26/176例)及び21.0%(例数について論文中に記載はありませんでした)であったのに対し、アフリベルセプト2mg群では11.3%(20/177例)、15.3%(27/177例)及び16.9%(例数について論文中に記載はありませんでした)でした。

95%信頼区間はブートストラップ法を用いて算出した
※ ベースラインの糖尿病網膜症重症度区分(≦4、≧5)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした
欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)

2)【参考情報】ETDRS糖尿病網膜症重症度が上昇した患者の割合
(その他の副次評価項目:28週及び52週)

28週及び52週の糖尿病網膜症重症度がベースラインから2段階以上上昇した患者の割合は、ベオビュ6mg群で2.3%(4/176例)及び1.7%(3/176例)であったのに対し、アフリベルセプト2mg群では0.6%(1/177例)及び1.1%(2/177例)でした。
28週及び52週の糖尿病網膜症重症度がベースラインから3段階以上上昇した患者の割合は、ベオビュ6mg群でいずれも0.6%(1/176例)であったのに対し、アフリベルセプト2mg群ではいずれも0.0%(0/177例)でした。

95%信頼区間はブートストラップ法を用いて算出した
※ ベースラインの糖尿病網膜症重症度区分(≦4、≧5)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした
欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)

3)【参考情報】ETDRS糖尿病網膜症重症度スコア61以上の増殖糖尿病網膜症に進行した患者の割合(その他の副次評価項目:52週)

52週の糖尿病網膜症重症度スコア61以上の増殖糖尿病網膜症に進行した患者の割合は、ベオビュ6mg群で0.6%(1/163例)であったのに対し、アフリベルセプト2mg群では0.0%(0/162例)でした。

95%信頼区間はブートストラップ法を用いて算出した
※ ベースラインの糖尿病網膜症重症度区分(≦4、≧5)、年齢区分(<65歳、≧65歳)、投与群を固定効果とした
欠測値はLOCF法を用いて補完(他の糖尿病黄斑浮腫治療へ切替え後のデータは打切りとみなし、他治療への切替え直前の実測値で補完)

(11)【参考情報】視機能関連QOL調査票(VFQ-25)の合計スコアのベースラインからの変化量
(その他の副次評価項目:28週及び52週)

28週及び52週のVFQ-25合計スコア注)のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、ベオビュ6mg群で5.9及び9.1であったのに対し、アフリベルセプト2mg群では6.1及び6.5でした。

※ 投与群を固定効果、対応するベースライン値を共変量とした
注) 12項目(全体的健康感、全体の見え方、眼の痛み、近見視力による行動、遠見視力による行動、見え方による社会生活機能、見え方による心の健康、見え方による役割制限、見え方による自立、運転、色覚及び周辺視力)に関する25種類の質問で構成される調査票。総合的な視機能を示す合計スコアは0から100の範囲で、スコアが高いほど視覚機能が良好。