診断名
左腸骨骨折
鑑別診断
①体軸性脊椎関節炎、②化膿性腸骨骨髄炎、③腸骨悪性腫瘍(原発性・転移性)
検査、原因
病歴からは上記が疑われた。HLA-B52とHLA-B61が陽性であったが、当科受診時にはCRPは陰性化しており、発熱がなく、左臀部のみの痛みであったために、膠原病を含めて①は否定的であった。②の可能性もあったが、同様に発熱がなく、CRP陰性であったために可能性は低かった。画像からは明らかな腫瘍性病変はないもののEwing肉腫のような小円形細胞腫瘍や白血病の可能性も否定はできなかった。
CT検査では左腸骨の骨皮質は一部欠損しており、骨びらんや骨溶解、もしくは骨折と判断できる。
MRIでは仙腸関節を超えずに腸骨のみに病変があることから①のような疾患の可能性は低かった。
画像診断のみでは難しく、左腸骨にCTガイド下生検を行った。異型細胞を認めず、正常の血球系細胞のみを認めた。また細菌培養・抗酸菌培養も陰性であった。
以上より②と③は否定的であった。若年女性で、ダンス練習という軽微ではあるが、受傷歴があり、症状は徐々に改善傾向であったために、上記診断となった。