診断名
強直性脊椎炎(HLA-B27陰性)
鑑別診断
X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、腰椎椎間板ヘルニア、化膿性脊椎炎、びまん性特発性骨増殖症(DISH)
検査、原因
NSAIDs 内服などの対症療法を半年間行ったが、症状改善がなかったため、当科RA外来にコンサルトとなった。神経学的所見と経過より、腰椎椎間板ヘルニアと化膿性脊椎炎を否定した。また、年齢と画像所見より、DISHも否定した。再検したCRPは2.57mg/dLであり、あらためて詳細に問診と診察を行うも、炎症性背部痛を疑う症状には乏しかった。HLA検査はB39、B59であり、B27陰性であった。仙腸関節X線像を写真3に示す。右仙腸関節は3度(明らかな変化)を疑う所見であり、CT精査(写真4)にて部分的な強直を認めた。また、左仙腸関節にも骨びらんを認めた。
改訂ニューヨーク診断基準1)の臨床症状としては腰椎の可動域制限あり(Schober's test(前屈制限)は0cmで陽性)、仙腸関節のX線所見としては片側3度以上の仙腸関節炎所見ありが該当し、強直性脊椎炎の確実例と診断した。
1) van der Linden S. et al Arthritis Rheum 1984;27:361-368