診断名
乾癬性関節炎(皮膚乾癬のない)
鑑別診断
関節リウマチ、変形性関節症、反応性関節炎
検査、原因
炎症性のDIP関節病変をみとめ、身体診察を再度行い確認すると手指に爪病変(写真3)、さらに足に指趾炎を認めた(写真4)。単純X線では、DIP関節周囲の骨新生像・靭帯骨棘形成および中節骨末端の骨びらん、特に左第5指DIP関節にはPencil-in-cup変形を認める(写真5)。以上から、最終診断としてRAにOAが合併した状態ではなく、当初から皮疹のない関節症状が先行したPsAであったと判断して、生物学的製剤を開始した。
この患者さんでは3年後に皮膚の乾癬も発症した。今回の症例のような、関節炎先行型のPsAの場合、RAでは通常みられないDIP関節の関節炎、同部位のOAでは説明のつかない骨新生とびらんの混在するX線異常、爪病変、指趾炎(その他付着部炎)の有無が重要となる。また現時点で乾癬がなくても第2親等内に乾癬やPsAの家族例がないかも確認をするようにしたい。