診断名
X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎。
鑑別診断
痛風性関節炎、化膿性関節炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎
検査、原因
さらなる病歴聴取にて、30代から慢性的に腰痛をみとめ、今回悪化はないが、頸部痛も自覚して、痛みで夜起きることもあり。炎症性腰背部痛の所見あり。
脊椎関節炎を疑い単純X線腰椎側面および骨盤正面撮影(写真4)を行った。
単純X線では仙腸関節の明らかな骨びらんは明らかではなかったが、内転筋や臀部筋の付着部の”けば立ったcalcification像”がみられ脊椎関節炎が疑われた。その後仙腸関節MRI(斜位冠状断 T1強調画像およびSTIR撮影)を行ったところ、左仙腸関節にT1強調画像でlow、STIR画像でHighの活動性仙腸関節炎をみとめ、T1強調画像では右仙腸関節に骨びらんもみとめられた(写真5)。
のちにHLA B-27陽性も判明。NSAIDs無効なX線基準を満たさない脊椎関節炎の診断となり、生物学的製剤による治療を開始した。