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症例報告 189 [主訴: 鼻背右外側から右頬部にかけての紅色結節]

<症例> 55歳男性
<主訴> 鼻背右外側から右頬部にかけての紅色結節
<既往歴> X-1年胆嚢炎手術
<家族歴> 特記事項なし
(症例提供) 東北大学病院 皮膚科 教授 相場 節也 先生
(監修) 東北大学病院 皮膚科 教授 相場 節也 先生

解答と解説

診断名

  • 顔面肉芽腫

鑑別診断

  • 付属器腫瘍,偽リンパ腫,B細胞リンパ腫,lupus erythematosus tumidus

検査、原因、治療法

  • 臨床検査所見:血算,生化学検査に異常はなかった。

    病理組織:表皮に異常はなく,表皮直下に炎症性細胞の乏しい境界帯(grenz zone)を認める。一方,真皮網状層には単核球、好中球、好酸球からなる稠密な細胞浸潤が存在し(A),加えて一部の血管には,周囲に好酸球と核破砕像を伴った好中球が浸潤した血管炎様所見を認める (B)。

    顔面肉芽腫は,顔面に自覚症状のない結節ないし局面を呈する原因不明の慢性疾患である。通常,顔面に自覚症状のない径1〜5㎝大の類円形の境界明瞭な暗赤色あるいは紫紅色の扁平隆起性結節を生じる。組織像が特徴的で,表皮直下のgrenz zone,好酸球,多核白血球、リンパ球、組織球、形質細胞などが混在する稠密な細胞浸潤,核塵を伴った好中球浸潤を伴う血管炎様所見を呈する。一般に難治性で慢性に経過する。


    図2:病理組織
    図2:病理組織
    A
    図2:病理組織
    B

 

 

皮膚科領域

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