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症例報告 188 [両側腹部および左前腕から肘窩にかけてのそう痒性皮疹]

<症例> 54歳、男性
<主訴> 両側腹部および左前腕から肘窩にかけてのそう痒性皮疹
<既往歴> 高血圧症(ただし1年半まえから薬剤の変更は無い)
<家族歴> 家族に類症は認めない
(症例提供) 東北大学病院 皮膚科 教授 相場 節也 先生
(監修) 東北大学病院 皮膚科 教授 相場 節也 先生

解答と解説

診断名

  • 遠心性丘疹性紅斑 (Erythema papulatum centrifugum)

鑑別診断

  • 遠心性環状紅斑,遊走性慢性紅斑,自己免疫性環状紅斑,Sjogren症候群,亜急性皮膚エリテマトーデス

検査、原因、治療法

  • 検査:血液検査に異常は認められなかった。

    病理組織:真皮上層の血管周囲性の単核球浸潤と真皮内汗管壁および周囲の単核球浸潤を認めた。

    診断:1972年に渡辺靖らにより報告された疾患概念で,1) 中年~高齢の男性に多く、2)春から夏にかけて外的刺激を誘因として,3)体幹、四肢近位側に好発する遠心性に拡大する小紅斑および赤色症丘疹で,4) 強い瘙痒を伴い、掻破により遠心性に拡大する。5) しばしば同じ部位に再発する。推測されている病因としては,発汗との関連(多汗、発汗減少、汗管閉塞など)や細菌性アレルギーが想定されている。

    治療法:ストロングクラスのステロイド軟膏の外用にて皮疹は消退した。


    図2:辺縁丘疹の病理組織像,肝管内ならびにその周囲に単核球の細胞浸潤を認める。
    図2:辺縁丘疹の病理組織像,肝管内ならびにその周囲に単核球の細胞浸潤を認める。

 

 

皮膚科領域

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