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症例報告 155 [主訴: 体幹四肢の水疱、開眼困難、体重減少(11ヶ月間で22kg)]

<症例> 68歳、男性
<主訴> 体幹四肢の水疱、開眼困難、体重減少(11ヶ月間で22kg)
<既往歴> 狭心症(ステント留置)、2型糖尿病
<家族歴> 特記すべきことなし
(症例提供) 大阪市立大学大学院 医学研究科 皮膚病態学 立石 千晴
(監修) 大阪市立大学大学院 医学研究科 皮膚病態学 教授 鶴田 大輔

解答と解説

診断名

  • 抗ラミニン332型粘膜類天疱瘡 併存症:胃癌

鑑別診断

  • 水疱性類天疱瘡、後天性表皮水疱症、尋常性天疱瘡、抗ラミニンγ1類天疱瘡、抗BP180型粘膜類天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡

検査、原因、治療法

  • 原因

ラミニン332に対する自己抗体による自己免疫性水疱症

    • 検査

皮膚生検:HEで表皮下水疱を認める。
蛍光抗体直接法:表皮真皮境界部にIgG、C3の線状沈着を認める。
蛍光抗体間接法:正常ヒト皮膚を基質とした場合は、表皮真皮境界部にIgG、C3の線状沈着を認める。1モル食塩水剥離ヒト皮膚を基質とした場合は、真皮側基底膜部にIgG、C3に線状沈着を認める。

    • 免疫ブロット法

リコンビナントラミニン332を用いた場合、a3自己抗体を検出する。

    • 悪性腫瘍検索

悪性腫瘍に関する相対リスクは皮膚筋炎と同等レベル

病理組織学的所見

病理組織学的所見

(HE染色 ×100)


蛍光抗体間接法(正常ヒト皮膚切片)
患者血清160倍希釈

蛍光抗体間接法(正常ヒト皮膚切片)、患者血清160倍希釈


蛍光抗体間接法(1M食塩水剥離皮膚)
患者血清10倍希釈

蛍光抗体間接法(1M食塩水剥離皮膚)、患者血清10倍希釈


免疫ブロット法(精製ラミニン332)

免疫ブロット法(精製ラミニン332)
    • 治療法

副腎皮質ステロイド外用及び内服
ジアフェニルスルホン

皮膚科領域

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