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症例報告 141 [主訴:顔面、手背、体幹の掻痒を伴う紅斑、結節、色素沈着、色素脱失]

<症例> 70歳、男性
<主訴> 顔面、手背、体幹の掻痒を伴う紅斑、結節、色素沈着、色素脱失
<家族歴> 特記すべきことなし
<既往歴> 急性アルコール性肝炎、脂質異常症、ピタバスタチンカルシウム、ウルソデオキシコール酸を内服中
(症例提供) 奈良県立医科大学 皮膚科学教室 准教授 小豆澤 宏明 先生
(監修) 奈良県立医科大学 皮膚科学教室 教授 浅田 秀夫 先生

解答と解説

A1.診断名

慢性光線性皮膚炎

A2.鑑別診断

  1. 結節性痒疹
  2. 光線過敏型薬疹
  3. 晩発性皮膚ポルフィリン症

A3.検査、原因、治療

手背の皮膚病理組織では、緊密で厚い角質がみられ、一部錯角化を認める。表皮は不規則に肥厚し、一部顆粒層で肥厚を認めた。真皮内にはリンパ球、好酸球の浸潤がみられ、メラノファージも散見された(写真2)。

好酸球増多、軽度の肝機能障害を認めたが、血清IgE、MAST33は異常値を認めなかった。最少紅斑量(MED)は、UVAで3.2J/cm2と明らかに低下し、UVB では48mJ/cm2と軽度の低下を認めた。尿中コプロポルフィリン、ウロポルフィリンは正常であった。

光線過敏型薬疹の可能性も考え、内服薬をすべて中止し、ステロイド外用療法とサンスクリーン外用を強化したが、改善がみられなかった。慢性光線性皮膚炎と診断し、免疫抑制剤を導入した。

症例写真

写真2

皮膚科領域

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