製品について
適正使用
投与患者の選択 | 投与期間について |
重大な副作用 | その他の注意すべき副作用 |
その他の注意すべき副作用
- 以下のような副作用にも注意が必要である。
めまい、疲労、失神、傾眠
本剤投与中にめまい、疲労、失神、傾眠があらわれることがあるため、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事する場合には十分に注意させてください。
寄生虫感染
本剤はIgEと複合体を形成し、遊離IgEを減少させます。IgEは寄生虫感染に対する宿主防御機能に関与する因子の1つと考えられていることから、寄生虫感染のリスクが高い地域に旅行する場合には注意させてください。
悪性腫瘍
悪性腫瘍の発現頻度は、国内及び海外の無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験において、本剤群4,254例で4.14例/1,000人・年(14例/3,382人・年)、対照群3,178例で4.45例/1,000人・年(11例/2,474人・年)でした(発現頻度比:0.93[95%信頼区間:0.39、2.27])。また、5年間の追跡調査を行った気管支喘息患者を対象とした海外の市販後観察研究においては、悪性腫瘍の発生頻度は本剤群5,007例で16.01件/1,000人・年(295件/18,426人・年)、対照群2,829例で19.07件/1,000人・年(190件/9,963人・年)でした(発現頻度比:0.84[95%信頼区間:0.62、1.13])。なお、本剤を悪性腫瘍のリスクが高い患者(例:高齢者、喫煙者)に使用した場合の影響は不明です。本剤のがん原性試験は、一般的にがん原性試験に使用されるマウス及びラットのIgEと結合しないことから、実施されていません。
注射部位反応
本剤の投与により、注射部位出血、注射部位紅斑、注射部位硬結、注射部位そう痒感、注射部位熱感等があらわれることがあります1)。
特発性の慢性蕁麻疹患者を対象とした日本を含む国際共同臨床試験において、「注射部位反応」の有害事象発現率は、本剤を150mg投与した群で2.8%(2/71例)、プラセボ投与群で5.4%(4/74例)であり、本剤を300mg投与した群での発現は認められませんでした2,3)。
一方、国内で成人気管支喘息患者を対象として実施された臨床試験284例中、注射部位紅斑53例(18.7%)、注射部位そう痒感26例(9.2%)、注射部位腫脹24例(8.5%)、注射部位疼痛20例(7.0%)、注射部位熱感14例(4.9%)、注射部位硬結13例(4.6%)、注射部位出血12例(4.2%)等が認められています1)。
また、国内で小児気管支喘息患者を対象として実施された臨床試験38例中、注射部位疼痛3例(7.9%)、注射部位紅斑及び注射部位腫脹が各2例(5.3%)に認められています1)。
アレルギー性肉芽腫性血管炎
特発性の慢性蕁麻疹患者を対象とした日本を含む国際共同臨床試験及び海外臨床試験において、アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)の発現はありませんでした2,3)。
一方、気管支喘息においては、本剤投与中に、アレルギー性肉芽腫性血管炎があらわれることがあり、これらの多くは経口ステロイド剤の減量・中止時に発現しています1)。
以上により、本剤使用時は、好酸球数の推移及び発疹、肺症状の悪化(肺の浸潤等)、心臓合併症(心筋炎等)、ニューロパシー等の血管炎症状に注意してください。
血小板減少症
特発性の慢性蕁麻疹患者を対象とした日本を含む国際共同臨床試験において、血小板減少症の発現はありませんでした。また、血小板数で臨床的に注目すべき異常値の基準(≦100×109L)に該当した被験者もいませんでした2,3)。
一方、気管支喘息患者を対象とした国内成人臨床試験(1304試験、1307試験)において、血小板数の減少は0.4%(2/284例)に認められました4,5)。
動脈血栓塞栓イベント
特発性の慢性蕁麻疹患者を対象とした日本を含む国際共同臨床試験において、動脈血栓塞栓イベントの発現頻度は、本剤300mg群の1.4%(1/73例、冠動脈閉塞)、プラセボ群の1.4%(1/74例、血中クレアチンホスホキナーゼ増加)に認められましたが、いずれも治験薬との関連は否定されています2,3)。
一方、国内及び海外の投与期間8週間以上無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験において、動脈血栓塞栓イベントの発現頻度は、本剤群3,342例で2.69例/1,000人・年(5例/1,856人・年)、対照群2,895例で2.38例/1,000人・年(4例/1,680人・年)でした(発現頻度比:1.13[95%信頼区間:0.24、5.71])。内訳は、本剤群で心筋梗塞が2例、脳卒中、不安定狭心症、一過性脳虚血発作がそれぞれ1例、対照群で心血管死が3例、不安定狭心症が1例でした。また、5年間の追跡調査を行った気管支喘息患者を対象とした海外の市販後観察研究においては、本剤群5,007例で7.52件/1,000人・年(115件/15,286人・年)、対照群2,829例で5.12件/1,000人・年(51件/9,963人・年)であり、ベースラインの心血管危険因子で調整した多変量解析では、ハザード比1.32[95%信頼区間:0.91、1.91]でした1)。
本剤投与により、抗オマリズマブ抗体が発現することがあります1)。
※その他の副作用については添付文書をご参照ください。
臨床試験における副作用発現状況
日本を含む国際共同臨床試験(2306試験)における副作用発現状況
副作用評価対象例数(本剤投与例数) | 144 |
---|---|
副作用発現例数 | 13 |
副作用発現症例率 | 9.0% |
ゾレア300mg群 N=73 |
ゾレア150mg群 N=71 |
|
---|---|---|
副作用の種類 | 発現例数(%) | 発現例数(%) |
血液およびリンパ系障害 | 0(0.0) | 0(0.0) |
白血球減少症 |
0(0.0) | 0(0.0) |
心臓障害 | 0(0.0) | 0(0.0) |
動悸 |
0(0.0) | 0(0.0) |
胃腸障害 | 1(1.4) | 0(0.0) |
軟便 |
1(1.4) | 0(0.0) |
一般・全身障害および投与部位の状態 | 0(0.0) | 1(1.4) |
注射部位紅斑 |
0(0.0) | 1(1.4) |
注射部位硬結 |
0(0.0) | 1(1.4) |
注射部位そう痒感 |
0(0.0) | 0(0.0) |
注射部位熱感 |
0(0.0) | 1(1.4) |
肝胆道系障害 | 0(0.0) | 0(0.0) |
高ビリルビン血症 |
0(0.0) | 0(0.0) |
感染症および寄生虫症 | 1(1.4) | 1(1.4) |
鼻咽頭炎 |
1(1.4) | 1(1.4) |
臨床検査 | 0(0.0) | 0(0.0) |
好酸球数増加 |
0(0.0) | 0(0.0) |
神経系障害 | 3(4.1) | 1(1.4) |
頭痛 |
2(2.7) | 1(1.4) |
片頭痛 |
1(1.4) | 0(0.0) |
腎および尿路障害 | 1(1.4) | 0(0.0) |
頻尿 |
1(1.4) | 0(0.0) |
呼吸器、胸郭および縦隔障害 | 2(2.7) | 1(1.4) |
息詰まり感 |
1(1.4) | 0(0.0) |
発声障害 |
1(1.4) | 0(0.0) |
咽頭浮腫 |
0(0.0) | 1(1.4) |
皮膚および皮下組織障害 | 1(1.4) | 3(4.2) |
ざ瘡 |
1(1.4) | 0(0.0) |
慢性特発性蕁麻疹 |
0(0.0) | 1(1.4) |
環状紅斑 |
0(0.0) | 1(1.4) |
皮膚硬結 |
0(0.0) | 0(0.0) |
蕁麻疹 |
0(0.0) | 1(1.4) |
投与患者の選択 | 投与期間について |
重大な副作用 | その他の注意すべき副作用 |