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先生、真性多血症(PV)について教えて頂きたいのですが…

うん、どうしたの?

JAK2 V617Fの遺伝子変異割合が増加すると血栓症の発症率が上昇するといわれていますが、JAK2遺伝子検査は1人の患者さんにつき1回しか算定することができませんよね?PV患者さんの経過において、定期的に血栓症のリスクをモニタリングしたい場合はどうしたらよいのでしょうか?

白血球数と血栓症発症リスク

まずは、血栓症の既往と患者さんの年齢を考慮することが大切だね。あと、ヘマトクリット値のほか、定期的なモニタリングなら白血球数もみるといいよ。

白血球数ですか?

うん。先生が言うように、JAK2 V617Fの遺伝子変異割合が高まると血栓症の発現頻度が増加することが報告されているけど、白血球数の増加によっても血栓症の発症リスク上昇が認められているんだ。

でも、白血球とJAK2 V617Fは関係していないんですよね?

JAK2 V617F allele burdenと白血球数の相関

それがね、2つの因子については相関するという面白いデータがあってJAK2 V617Fの遺伝子変異割合が多くなるにつれて、白血球数が増加したことが報告されているんだ。

日本人PV患者を対象にJAK2 V617F遺伝子変異割合と白血球数、ヘモグロビン濃度、血小板数の関係を検討した報告では、JAK2 V617F遺伝子変異割合と白血球数に正の相関がみられたんだよ。

なるほど。ヘモグロビン濃度と血小板数では相関がみられず、白血球数のみで正の相関がみられたんですね。

うん、そうなんだ。そのほかにも、複数の研究でJAK2 V617F遺伝子変異割合と白血球数との相関が報告されているんだ。
こうした報告を踏まえると、血栓症のリスクが高いPV患者さんのスクリーニングには、定期的に測定可能な白血球数を参考にするのが良いんじゃないかと思うよ。

非常に勉強になりました。先生、ありがとうございました!

2021年8月作成