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真性多血症(PV)患者では、JAK2 V617Fの遺伝子変異割合が増加すると血栓症の発症率が上昇するといわれています。しかし、JAK2遺伝子検査は1人の患者につき1回しか算定することができません。では、定期的にPV患者の血栓症リスクをモニタリングするにはどのようにすればいいのでしょうか。
日本人PV患者を対象にした研究で、V617F遺伝子変異割合と正の相関がみられた1)白血球数は、血栓症リスクをモニタリングする指標のひとつとなりうると考えられます。
たとえば、白血球数1.1万/μL以上のPV患者の血栓症リスクは、白血球数0.7万/μL未満の患者と比べてどれくらいだと思いますか?
PV患者365例を対象とした試験では、治療時の白血球数が高値だと主要血栓症の発症リスクも増加することが示されました。図のように、治療時の白血球数が1.1万/μL以上の患者では、0.7万/μL未満の患者と比べて血栓症リスクが3.9倍でした2)。この結果から、治療時の白血球数が1.1万/μL以上であることは、PV患者において独立した血栓症発症のリスク因子と考えられます。
また、日本人PV患者596例を対象とした後ろ向き研究でも、白血球数が1万/μL以上であることが血栓症のリスク因子として同定されました3)。
以上のデータより、白血球数のモニタリングとコントロールは、PV患者の血栓症リスクを考えるうえで重要なポイントになると考えられます。
ルキソリチニブ※は、PV患者を対象に有効性と安全性を検討した国際共同第Ⅲ相検証試験RESPONSE試験において、安全性評価項目として白血球数の推移も検討されています。 ※ルキソリチニブの効能又は効果:真性多血症(既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る)
本試験の主要評価項目である32週時の奏効率は、ルキソリチニブ群22.7%、BAT群0.9%であり、BAT群と比較してルキソリチニブ群では有意に高い値を示しました(検証的な解析結果、p<0.0001*2、CMH検定)4)。
また、探索的評価項目である32週時の白血球・血小板のコントロール率において、ルキソリチニブ群では白血球コントロールを達成した被験者の割合は70%、血小板コントロールを達成した被験者の割合は81.8%でした。
では、血栓症については、どうだったのでしょうか。全血栓塞栓イベントの発現頻度は、100人・年あたりルキソリチニブ群で1.2例、BAT群で8.2例でした5,6)。
ルキソリチニブ群での主な有害事象は、全感染症が18.9例/100人・年(4.4%)、貧血が8.9例/100人・年(2.1%)、そう痒症と下痢が各7.0例/100人・年(1.6%)でした。また、ルキソリチニブ群での重篤な有害事象は、肺炎が1.2例/100人・年にみられました。ルキソリチニブ群では2例(胃腺腫1例、悪性新生物1例)の死亡が認められ、悪性新生物に関しては治験治療との因果関係が否定されました。
白血球高値のPV患者さんの治療選択肢のひとつとして、ルキソリチニブをご検討いただければ幸いです。