「禁忌を含む注意事項等情報」等はこちらをご参照ください。
一部承認外の成績が含まれるデータですが、承認時の評価資料であり、効能又は効果の根拠、用法及び用量の根拠として重要であるためご紹介します。
小児慢性心不全患者におけるエンレストの用量探索試験及び52週投与時のエナラプリルに対する優越性検証試験(国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験:B2319試験)
主要評価項目(検証的な解析結果)Global rank endpoint (FAS)
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a)層別Wilcoxon順位和検定(ランダム化時の修正年齢グループ[Group1:6歳~18歳未満、Group2a:2歳~6歳未満、Group3a:生後1ヵ月~2歳未満]及びNYHA/Ross機能分類(Ⅰ/Ⅱ度、Ⅲ/Ⅳ度)を用いて層別化)
b)両側有意水準5%
c)各層のMann-Whitney確率推定値の重み付けの和として定義した。各層のMann-Whitney確率推定値は、エンレスト群及びエナラプリル群から1名ずつサンプリングした場合、エンレスト群の方がエナラプリル群よりも転帰が良好である確率に、エンレスト群及びエナラプリル群の転帰が同じである確率の1/2を加えたものと定義した。全体集団に対する層別Wilcoxon順位和検定が有意であり、全体のMann-Whitney確率の点推定値が0.5より大きい(Mann-Whitneyオッズの点推定値が1より小さい)場合、エナラプリルに対するエンレストの優越性が示されたとした。
社内資料:小児慢性心不全患者におけるエンレストの用量探索試験及び52週投与時のエナラプリルに対する優越性検証試験
(国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験、B2319試験、CTD2.7.6.4.1.1)[承認時評価資料]
Shaddy R, et al.: Circ Heart Fail. 2023; 16(3): e009816.
[利益相反]本研究はノバルティスから資金提供を受けました。著者のうち4名はノバルティスの社員です。その他にノバルティスの顧問である著者が含まれます。
Global rank endpointの内訳(FAS)
※1:該当するイベントは外部の独立したエンドポイント判定委員会により統一の基準を用いて該当するか否かが判定された。
※2:Category 1又は2のイベントが発現しなかった被験者について、順位付けスコアを導き出すため、52週時のNYHA/Ross機能分類、PGIS及びPedsQLスコアの欠測値にLOCF法を用いた。Category内で複数のイベントを有する被験者は、そのCategory内で1回のみカウントされた。
二重盲検治療期間中にCategory 1のイベントが発現せずに試験を中止した被験者は、最終生存確認日によりイベント発現日を補完してCategory 1に分類された。
Category 1のイベントを発現せずに緊急安全対策(USM)の影響を受けて試験を中止した場合はCategory 1のイベントとはみなさなかった。
USMの影響を受けた被験者については試験終了時の評価とした。
FAS:最大の解析対象集団、NYHA:ニューヨーク心臓協会、PGIS:Patient Global Impression of Severity、PedsQL:Pediatric Quality of Life Inventory、CI:信頼区間、LOCF:last observation carried forward、USM:緊急安全対策
社内資料:小児慢性心不全患者におけるエンレストの用量探索試験及び52週投与時のエナラプリルに対する優越性検証試験
(国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験、B2319試験、CTD2.7.3.3.2.1)[承認時評価資料]
Global rank endpointについては こちらをご参照ください
主要評価項目のサブグループ解析(FAS)
a)2020年3月1日より前に試験が終了した被験者
b)2020年3月1日より前にランダム化され、2020年3月1日以降に試験が終了した被験者
c)2020年3月1日以降にランダム化された被験者
USMの影響を受けた被験者については治療中の評価を解析に用いた。
ランダム化時のNYHA/Ross機能分類のクラスは、被験者がランダム化されたときにIRTで割り当てられたデータを参照した。
ベースライン時のNYHA/Ross機能分類のクラス群は、治験担当医師が評価し、ランダム化時に収集されたCRFのデータを参照した。
FAS:最大の解析対象集団、CI:信頼区間、NYHA:ニューヨーク心臓協会、 COVID-19:新型コロナウイルス感染症、USM:緊急安全対策、 IRT:双方向自動応答技術、CRF:症例報告書
社内資料:小児慢性心不全患者におけるエンレストの用量探索試験及び52週投与時のエナラプリルに対する優越性検証試験
(国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験、B2319試験、CTD2.7.3.3.3.2)[承認時評価資料]
安全性(SAF)
※1:心不全12.8%(24例)、肺炎及び嘔吐各2.7%(5例)、うっ血性心不全及び低血圧、発熱、上気道感染各2.1%(4例)等
※2:心不全12.2%(23例)、肺炎及び嘔吐、心停止、急性心不全、痙攣発作各2.1%(4例)等
※3:心不全3.7%(7例)、うっ血性心不全及び心停止各1.1%(2例)等
※4:心不全5.9%(11例)等
※5:エンドポイント判定委員会による独立判定に基づき心血管死と判断された割合は3.7%(7/187例)。
心血管死の内訳は、うっ血性心不全3例、心原性ショック2例、最後に生存が確認されて1時間未満の突然死及び最後に生存が確認されて1時間以上24時間未満の突然死各1例。非心血管死は0.5%(1/187例)であり、悪性腫瘍であった。
※6:エンドポイント判定委員会による独立判定に基づき心血管死と判断された割合は5.9%(11/188例)。
心血管死の内訳は、心原性ショック4例、最後に生存が確認されて1時間未満の突然死3例、推定心血管死2例、うっ血性心不全及び最後に生存が確認されて1時間以上24時間未満の突然死各1例。非心血管死は0.5%(1/188例)であり、呼吸不全であった。
社内資料:小児慢性心不全患者におけるエンレストの用量探索試験及び52週投与時のエナラプリルに対する優越性検証試験
(国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験、B2319試験、CTD2.7.4.2.1)[承認時評価資料]
試験概要
目 的 | 第1期:小児慢性心不全患者におけるエンレストの薬物動態(PK)及び薬力学(PD)を明らかにする。 第2期:小児慢性心不全患者を対象にGlobal rank endpointを指標として、心不全の治療薬としてのエンレストのエナラプリルに対する優越性を検討する。 |
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対 象 | 生後1ヵ月~18歳未満のLVSDによる小児慢性心不全患者(RAN※1377例、FAS※2及びSAF※2ともに375例[日本人12例]) ※1:ランダム化番号が割り当てられたすべての被験者(治験薬投与の有無は問わない) ※2:ランダム化されたすべての被験者(誤ってランダム化され治験薬が投与されなかった2名を除く) <主な選択基準>
<主な除外基準>
RAN:Randomized set、FAS:最大の解析対象集団、SAF:安全性解析対象集団、NYHA:ニューヨーク心臓協会、 LVEF:左室駆出率、ACE:アンジオテンシン変換酵素、ARB:アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、PK:薬物動態、PD:薬力学、UNOS:全米臓器配分ネットワーク、ADME:Absorption, Distribution, Metabolism, Excretion |
試験デザイン | 多施設共同、ランダム化、二重盲検、並行群間、実薬対照比較試験 |
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方 法 |
本試験は第1期(最大2回の単回投与)及び第2期(52週間)の2期で構成された。 NYHA:ニューヨーク心臓協会 |
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主要評価項目 | Global rank endpoint※(検証的な解析項目)
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解 析 計 画 |
有効性評価項目はFASを主要な解析対象集団とした。日本人集団のみを対象としたサブグループ解析も実施した(事前規定)。 FAS:最大の解析対象集団、 NYHA:ニューヨーク心臓協会、COVID-19:新型コロナウイルス感染症 |
Global rank endpoint
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※1:心不全の悪化は、心不全に対する治療の強化が必要になる新たな症状・徴候あるいは既にみられていた症状・徴候の悪化を示し、特定の症状・徴候を定義するものではない。
※2:心不全の悪化に対する治療には利尿薬、血管拡張薬、昇圧薬、循環作動薬の静脈内投与、機器的補助又は循環補助の施術(限外濾過、血液透析、VAD、ECMO、大動脈内バルーンポンプなど)が含まれる。経口薬の場合は、利尿薬の新規投与又は維持量の50%以上の増量が2週間以上継続する場合に該当する。
NYHA:ニューヨーク心臓協会、PGIS:Patient Global Impression of Severity、 PedsQL:Pediatric Quality of Life Inventory、ICU:集中治療室
社内資料:小児慢性心不全患者におけるエンレストの用量探索試験及び52週投与時のエナラプリルに対する優越性検証試験
(国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験、B2319試験、CTD2.7.6.4.1.1)[承認時評価資料]
社内資料:小児慢性心不全患者におけるエンレストの用量探索試験及び52週投与時のエナラプリルに対する優越性検証試験
(国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験、B2319試験、CTD2.7.3.1.3.2)[承認時評価資料]
Shaddy R, et al.: Circ Heart Fail. 2023; 16(3): e009816.
患者背景(FAS)
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※1:1歳未満の被験者の試験への組み入れが困難であったため、本試験では、治験実施計画書を改訂し、修正年齢グループ(Group1:6歳~18歳未満、Group2a:2歳~6歳未満、Group3a:生後1ヵ月~2歳未満)を主に用いて解析した。
※2:ランダム化前
※3:N=186
※4:N=187
※5:N=119
※6:N=120
※7:層別ランダム化
※8:N=179
※9:N=182
※10:%はエンレスト群187例、エナラプリル群188例に対する割合
※11:二重盲検治療期にはRAAS阻害薬による治療は禁止
LVEF:左室駆出率、 NYHA:ニューヨーク心臓協会、 NT-proBNP:N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド、ACE:アンジオテンシン変換酵素、
MRA:ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、ARB:アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、RAAS:レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系
社内資料:小児慢性心不全患者におけるエンレストの用量探索試験及び52週投与時のエナラプリルに対する優越性検証試験
(国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験、B2319試験、CTD2.7.6.4.1.1)[承認時評価資料]
【5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)】
〈小児の慢性心不全〉
5.3 本剤投与開始前にアンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬を投与されている場合はそれらの薬剤から切り替え、投与されていない場合は患者の状態を観察しながら本剤を慎重に投与すること。[2.2、8.1、17.1.3参照]
5.4 小児の慢性心不全の治療に十分な知識及び経験を有し、「臨床成績」の項の内容及び臨床試験に組み入れられた患者の背景(基礎疾患や心不全の病態、前治療、収縮期血圧等)を十分に理解した医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対して適用を考慮すること。[17.1.3参照]
【6. 用法及び用量(抜粋)】
〈慢性心不全〉
通常、1歳以上の小児には、サクビトリルバルサルタンとして下表のとおり体重に応じた開始用量を1日2回経口投与する。忍容性が認められる場合は、2~4週間の間隔で段階的に目標用量まで増量する。なお、忍容性に応じて適宜減量する。
小児における用量表(1回投与量)
【9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)】9.7 小児等
〈慢性心不全〉
9.7.1 低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。[17.1.3参照]